9年間の中国での生活をいかしてフォトガイドにー 確かな撮影技術と細やかなおもてなし
- Holidayキャリア
- 2024年12月23日
- 読了時間: 9分
更新日:1月14日
インバウンドのお客様を対象に、写真撮影をしながら様々なスポットを案内する「フォトガイド」として活躍する方々へのインタビュー記事。
今回お話を伺ったのは、9年間の中国滞在、音楽活動、フォトグラファーと豊富なご経験をお持ちの阿部憲護さん。フォトガイドを始めた経緯や仕事への思い、さらにこれからフォトガイドを目指す人へのアドバイスについてお聞きしました。

— 早速ですが、自己紹介をお願いします。
はい。阿部憲護と申します。フォトグラファーとしては下の名前で活動しており、Instagramでも公開しています。
インバウンドのカメラマンとしてはまだ数回ですが、ホリデーさんの案件で浅草近辺を中心に撮影させていただいています。中国語(北京語)を使い、ポージングの指示や撮影イメージの共有を行いながら撮影しています。
中国での9年間の経験がフォトガイドのきっかけに
— 中国語が堪能とのことですが、どのような経緯で習得されたのですか?
実は、30代後半の頃から約9年間、中国に住んでいたんです。中華系の企業や日系企業の物流会社で勤務していました。最初は2、3年で帰国するつもりだったのですが、仕事で支店長クラスまで昇進することができ、結果的に9年もいました。
— すごいですね!独学で習得されたのですか?
はい、そうです。仕事が終わって帰宅後、毎日2、3時間独学で単語を覚えていました。最終的に、会議をする際に通訳としても参加していました。
— それはすごいですね。中国で音楽活動もされていたとか?
はい。中国のミュージシャンたちと一緒にステージで演奏していた時期もありました。プライベートではほぼ日本人と接することなく、語学力向上のために、あえて日本人を避けていました。おかげで、現地の方との交流を深めることができました。
— まさに、中国での生活が今の活動に繋がっているんですね。
そうですね。ただ、中国の食生活は少し体に負担がかかる部分もありました。帰国後の健康診断では数値が2倍になっていて驚きましたが、日本に戻って食生活が正常になったらすぐに元に戻りました。
カメラマンとしての新たな挑戦
— カメラはいつ頃から始められたのですか?
カメラを本格的に始めたのは、実はここ3年くらいなんです。きっかけは、ライブの写真を携帯で撮っていたところ、ミュージシャンの方から「良い写真だね」とSNSで使ってもらえたことでした。そこから、ライブカメラマンという仕事に興味を持つようになり、中古のカメラとレンズを購入して始めました。

— そこから、インバウンドのフォトガイドに繋がったのですね。
そうですね。ライブの撮影は主に夜間や週末なので、平日の日中にできる仕事を探していました。ただ写真を撮るだけの仕事はたくさんありますが、自分の持ち味である「中国語」も活かせる仕事を探していたところ、ホリデーさんにたどり着きました。
フォトガイドを始めたきっかけ
— 以前もガイドのお仕事をされていたそうですね。
はい。中国から帰国後、北海道でガイドドライバーの仕事をしていました。札幌を中心に、富良野や小樽、ニセコなどを運転しながら観光案内をする仕事です。夜は美味しいお店を紹介したり、一緒に食事をしたりしていました。
— まさに、今のフォトガイドの原点となるようなご経験ですね。
そうですね。ただ、その時はカメラは使っていなかったので、今考えると、撮影もあればもっとおもしろかったかもしれません。
フォトガイドとしての最初の経験

— 実際にフォトガイドを始めたのはいつ頃ですか?
ホリデーさんでフォトガイドを始めたのは、先月の11月です。
— それが初めてのフォトガイドのお仕事だったんですね。実際やってみていかがでしたか?
全然緊張しませんでした。撮りたいものを撮れば良い、という気持ちでしたね。お客様の撮りたいイメージと、自分が撮りたいイメージをすり合わせながら、半分押して、半分引くような感じで撮影を進めています。
— 撮った写真を見せながら、お客様とイメージを共有するんですね。
そうです。移動中に「どういう写真を撮りたいかイメージありますか?」と聞いたり、お客様に撮影したい写真をスマホで見せてもらい、イメージを共有するようにしています。
— お客様の要望と、実際の撮影のギャップを埋める工夫をされているんですね。
そうですね。海外の方から見た日本の文化って、日本人から見ると少し誇張されている部分もあるので、それを無理に修正するのではなく、撮りたいものを撮ってあげるようにしています。
— 浅草での撮影が多いとのことですが、やはり着物を着ている方が多いですか?
多いですね。カップルで撮影される方も多いです。ホリデーさんからの依頼で渋谷で撮影することもありますが、時間帯やロケーションから、お客様の撮りたいイメージを予想しています。
— 事前にSNSなどでリサーチもされているのですか?
はい。中国の友達が多いので、中国で流行っている写真の撮り方やイメージをリサーチするようにしています。
— フォトガイドを始めて、ギャップなどはありましたか?
特にギャップは感じていません。言葉の壁は特になく、中国での生活のおかげで文化や考え方を理解しているので、お客様の行動にも驚くことがありません。
印象に残るエピソード

— これまでフォトガイドをやっていて、楽しかったエピソードはありますか?
先日、台湾から来られた女性2人のお客様が印象に残っています。お会いした瞬間にモデルさんのようでした。ポージングも自然で、カメラを向けると笑顔で色々なバリエーションを作ってくれたので、楽しく撮影できました。1時間という短い時間でしたが、400枚近く撮影しました。
— それはすごいですね!お客様も喜ばれたでしょうね。
はい。人によってシャイな方もいらっしゃいますので、そういう場合は、こちらからポーズを提案するようにしています。撮影に慣れている方は、良い写真を褒めてくれますし、そういった瞬間が楽しいですね。
コミュニケーションを円滑にするために
— 初対面のお客様との距離を縮めるコツはありますか?
最初は、「どうして中国語が話せるんですか?」と聞かれることが多いので、そこから会話が始まります。「どちらから来たんですか?」「台湾ですか?香港ですか?」などと質問しながら、お客様との共通点を見つけていきます。僕が話す中国語は東北なまりなので、それを指摘されることもありますね。
— それもコミュニケーションのきっかけになりそうですね。
そうですね。方言がわかると親近感が湧くみたいです。中国にはたくさんの方言があるので、そういっ
た部分でも交流が生まれることがあります。
フォトガイドのスケジュール
— フォトガイドの仕事がある時のスケジュールを教えていただけますか?
撮影場所には、1時間前くらいには到着するようにしています。天候によってホワイトバランスが変わるので、現地に着いたらまずカメラを組んで試し撮りをして、ホワイトバランスを合わせます。
— 撮影場所に着いてからも、準備をしっかりされているんですね。
そうですね。レンズの選定は重要なので、機材は全て持っていくようにしています。撮影時間内には、お客様にパソコンで撮った写真を見てもらい、イメージを共有するようにしています。パソコンの方が画面も大きく撮影した写真を見やすいので。
— 撮影中、特に気を付けていることはありますか?
撮った写真を都度お客様にみてもらうようにしています。見せている時はお客様の表情を確認して、良い反応を示しているかチェックしますね。反応が微妙そうな場合はポーズや場所を変えるようにしています。
フォトガイドに向いている人とは
— どのような人がフォトガイドに向いていると思いますか?
まず、会話を重視して、お客様とのコミュニケーションを楽しみながら撮影できる人が向いていると思います。ただ撮るだけではなく、撮影を通して、お客様に良い思い出を作ってもらいたいという気持ちが大切です。お節介好きで、人が喜ぶのを見て自分も喜べる人が向いていると思います。
— 会話力と、人を喜ばせることが好きなことが重要なんですね。
そうですね。カメラマンという以上、撮影技術は当然持ちながら、会話術も持ち合わせていると、より良いフォトガイドになれると思います。
未経験からガイドを始めるためのアドバイス

— 未経験からフォトガイドを始めるためのアドバイスはありますか?
大前提としてカメラの技術が必要になるので、いろんな写真を撮影する練習は必要だと思います。撮った写真を見て、「なぜ暗いんだろう?」「なぜピントがずれているんだろう?」と、原因を追求し、改善していくことが大切です。失敗した写真から教訓を得て、自分の引き出しを増やしていくことで成長できると思います。
— 失敗から学ぶ姿勢が大切なのですね。
そうですね。撮影する時間帯や場所に合わせた、カメラの設定を把握する、機材を揃えることが大切だと思います。それを理解するには経験が必須です。実際、ライブ撮影で培った技術や経験が、今のフォトガイドの仕事にも役立っています。トライ&エラーを繰り返しながら、撮影技術を磨いていってほしいです。
今後の目標とフォトガイドを目指す方へメッセージ

— 今後、やってみたいことはありますか?
今は1時間の撮影が多いのですが、1日かけて撮影するフォトツアーをやってみたいと思っています。鎌倉や茅ヶ崎など、色々な場所で撮影を楽しめるプランがあれば良いなと思います。
— それはぜひ、実現したいですね。
そうですね。ホリデーさんでも、ぜひフォトツアーを企画して欲しいです。
— 最後に、フォトガイドを目指している方へのメッセージをお願いします。
まず、海外の方に興味を持つことが大切です。固定概念にとらわれず、積極的にコミュニケーションをとることが重要です。中国の方はとても温かく、人情味がある方が多いです。机上学習だけでなく、実際に人と触れ合い、言葉を交わすことで、理解が深まります。
— 経験に基づいた、力強いメッセージですね。
そうですね。カメラマンとしてだけでなく、人と人との繋がりを大切にしながら、フォトガイドの仕事を楽しんで欲しいです。
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