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1時間のフォトツアーでお客様を楽しませるコツとは? - カメラ歴17年の福岡フォトガイド

更新日:1月15日


インバウンドのお客様を対象に、写真撮影をしながら様々なスポットを案内する「フォトガイド」として活躍する方々へのインタビュー記事。


今回お話を伺ったのは、福岡でフォトガイドをされている池田宏武さん。「お客様には写真撮影だけでなく、フォトツアー全体の体験を楽しんでいただきたい」との思いで、会話や観光案内でも様々な工夫をされていました。


また、フォトガイドを始めた経緯や仕事への思い、さらにこれからフォトガイドを目指す人へのアドバイスについてもお聞きしました。



池田宏武さん
池田宏武さん


カメラ歴17年、フォトガイドをはじめたきっかけ


— それではまず、簡単な自己紹介をお願いします。


池田宏武と申します。福岡に在住で、カメラ歴は17年になります。趣味は映画鑑賞、一人旅、そして写真撮影です。言語は英語を扱います。


— カメラ歴17年、すごいですね!カメラを始めたきっかけは何だったんですか?


そうですね、少し長くなりますが、もともとバンド活動をしていたんです。その活動が一段落して、手に職をつけようと思い、メイクの学校に通い始めました。そこで作品撮りをするうちに、写真の面白さに目覚め、カメラマンの道に進むことになりました。


— メイクの学校で写真撮影があったんですね。


はい、作品を残す必要があったので。当初はカメラマンをブッキングしていたのですが、自分で撮る方が面白いと感じて、自分でカメラを持つようになりました。


— そこから、現在のフォトガイドのお仕事に進まれたきっかけは何だったのでしょうか?


長くカメラマンを続けていくうちに、できることを増やしたいと思うようになりました。そんな時に、求人サイトでフォトガイドの仕事を見つけたのがきっかけです。高校時代に寮で留学生と生活していた経験から、英語を使う環境にも慣れていたので、これも活かせるかもしれないと思いました。


— 高校時代に留学生と交流されていたんですね。言語を覚えるのは大変なイメージがありますが、どのように習得されたのですか?


2人1部屋で生活していたので、喋らないと気まずいなと思って必死でした(笑)。また、英語科のクラスにいたこともあり、英語漬けの毎日でしたね。




フォトガイドをはじめてみて



— フォトガイドとして働き始めてから、何かギャップや感じたことはありましたか?


そうですね、まず英語を使うことにブランクがあったので、最初はとても緊張しました。ただ、やってみると1時間の撮影はあっという間で、とても楽しかったというのが最初の印象です。


— フォトガイドの仕事を始める前と後で、イメージの違いはありましたか?


福岡に長く住んでいるので、土地勘もありましたし、待ち合わせ場所から撮影開始までスムーズでした。


ただ、英語に関しては、日常会話とは違う、写真撮影で使う特有の表現に苦労しました。例えば、「もう少しこっちに寄ってください」とか「顎を少し引いてください」といった細かい指示を英語で伝えるのに、最初は戸惑いました。


— そういった表現は、どのようにして覚えたのですか?


事前に調べたりもしましたが、なかなかピンポイントで必要な表現は見つかりませんでした。そんな時、AIの英語学習アプリを活用しました。自分の英語表現を添削してくれるので、少しずつ自信をつけることができました。


— それは便利ですね!ちなみに、このお仕事は副業としてされているんですよね?


はい、そうです。本業はフリーランスのカメラマンです。


— 本業と副業のバランスはいかがですか?


フリーランスなので、比較的スケジュールを調整しやすく、空いた時間にフォトガイドの仕事ができるので、時間を有効活用できます。




フォトガイドのやりがいと苦労


— フォトガイドの仕事をしていて、学んだことはありますか?


自分が思っていた以上に、地元のことを知らないということに気づきました。長年住んでいても、海外から来られる方が興味を示すものが、自分とは全く違うということに驚きましたね。

例えば、福岡大仏について質問された時、詳しいことを知らなくて困ったことがありました。それをきっかけに、地元の歴史や文化をもっと知りたいと思うようになりました。


— 確かに、歴史に詳しくないと答えられないことも多いですよね。


そうなんです。福岡大仏の建立年を聞かれた時に答えられなかったり、福岡の伝統的なお祭りである山笠について詳しく説明できなかったり。知らないと答えられないものばかりなので、調べるようにしています。

参拝の作法もちょっと説明するだけで、喜んでいただけるのでそういった知識を入れといて損はないです。


— 確かに、ちょっとした知識があるだけで、お客様の満足度も変わりそうですね。他に、印象に残っている出来事はありますか?


最近、海外の方からお別れの際に「メリークリスマス」と言われることがあり、とても気持ちが良い挨拶だなと感じました。


— 日本だと12月末は「良いお年を」と結構いいますよね。違いがあって面白いですね。


あとは、韓国、香港、中国など、国によって好まれる写真のスタイルが違うことに驚きましたね。

韓国の方は、事前に決めたポーズで、特定の背景で撮影することを好む傾向があります。一方、香港や台湾の方は自然な風景を好む傾向があり、街を歩いている様子を撮影して欲しいと言われることが多いです。



— なるほど。そういった違いもあるんですね。逆に大変だったことはありますか?


お一人で参加される方の撮影は、ネタが尽きる可能性があるので、ポージングや構図などたくさん用意する必要がありますね。

あとは、ネットで調べてきた情報と、現地のギャップに困ることもあります。特に、福岡にある公園は、ネットで紹介されているフォトスポット以外は、ただの公園だったりするので、工夫が必要です。


—たしかに。撮影スポットとして有名な場所は、ほんの一部というのは結構ありそう。 


そうなんですよ。なので、最初のフォトスポットで撮影が終わった後は、少し会話に比重を置いて、周辺のおすすめスポットを紹介したり、携帯で動画を撮ったりします。


—なるほど。そういったスポットは小道具などがあると、撮影しやすくなりますかね。


確かにそうかもしれません。それでいえば、着物レンタルのお客様には、撮影用に番傘を持っていくようにもしています。結構喜ばれますね。


— 素敵なおもてなしですね。ちなみに、着物での撮影は福岡ではどこが多いんでしょうか?


櫛田神社が多いですね。境内には見どころが多いので、撮影もしやすいです。着物で下駄だと移動が大変なので、歩くスピードや距離にも配慮しながら撮影しています。




フォトガイドの仕事内容


— ここからは、具体的な仕事内容についてお聞かせください。まず、撮影当日のスケジュールについて、教えていただけますか?


撮影時間の30分前には現地に到着するようにしています。簡単な情報収集をしたり、周辺のイベントを調べたりします。福岡は結構お祭りやイベントが多いので、近くでやっていたら、お客様に提案することもあります。


— 情報収集はどのようにされているのですか?


実際に歩いてみたり、スマホで調べたりします。また、お店の開店時間や閉店時間も調べておきます。


— 撮影中、気をつけていることはありますか?


最初の挨拶は元気よくすることを心がけています。お客様には、旅の貴重な1時間をいただいているので、写真としてのデータももちろん大事ですが、体験そのものを楽しんでいただくことは意識しています。


— 体験を楽しんでいただく、素敵な考え方ですね。


オススメスポットを聞かれる時も、観光客向けの場所だけでなく、地元の人がいくようなお店や場所を伝えるようにしています。他にも、ルート次第にはなりますが路地裏などディープなとこを歩いたりしますね。それこそさっき話した福岡大仏は、撮影NGなのでフォトツアー中に寄って簡単に案内しています。


— いろんな工夫をしてお客様を楽しませているんですね!ちなみに福岡はどの国のお客様が多いんですか?


ほぼアジア圏の方で、香港、韓国、台湾の方が多いです。1名で参加される方もいらっしゃいますし、カップル、家族連れ、友達同士で参加される方もいます。年齢層は、比較的高い印象です。




フォトガイドに向いている人


— フォトガイドは、どのような人に向いていると思いますか?


まず前提として、この仕事を楽しめる人です。そして、自分の住んでいる土地が好きで、その魅力を伝えたいという気持ちを持っている人が向いていると思います。写真の技術がどの程度必要かはちょっとわからないですが、そういった想いがある人に向いている仕事かなと思います。


— 熱意や情熱が大切なのですね。


そうですね。あとは、現地のことや歴史について知っていると、よりお客様に満足いただけると思います。


— フォトガイドの仕事をこれからはじめる人に向けて、何かアドバイスはありますか?


実際にやってみたら、意外となんとかなるものです。最初は不安かもしれませんが、お客様も人なので楽しく終われれば、皆さんに喜んでいただけます。事前に想像しているよりも、カジュアルな現場だと思います。





— せっかくの時間、お客様と一緒に楽しむ気持ちも大切ですよね。


そうですね。あとこれはちょっとしたコツになるんですが、お客様の反応を覚えておくと、回を重ねるごとにフォトガイドの仕事が楽しくなるんじゃないかなと思っています。


例えば、自動販売機って実は海外の方から人気で、フォトスポットにもなっているんですよね。そういった、普段はスルーしちゃうようなものや通りも、海外の方からしたらものすごく新鮮に感じることも多いんです。なので、前に対応したお客様がここ興味示されてたなって思ったら、その後のお客様にも「ここで写真撮りますか?」とお声がけしています。


経験を重ねることで、案内の引き出しも増える楽しさはあると思いますね。



今後の目標とメッセージ


— 今後、フォトガイドとして何か目標はありますか?


他の土地でもフォトガイドの仕事をしてみたいと思っています。大阪にはよく行くので、大阪でもフォトガイドができたら楽しいだろうなと思っています。


— ぜひ、実現していただきたいです!最後に、フォトガイドを目指す方へのメッセージをお願いします。


フォトガイドは、とても楽しい仕事です。不安な部分もあると思いますが、意外と大変ではないので、まずは飛び込んでみてください。他では体験できない経験ができると思います。




 

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