ホテルマンからITエンジニアへ転身!人を想う接客経験がテスト業務に活きる理由【ホテルスタッフインタビュー】
- Holidayキャリア
- 4月8日
- 読了時間: 7分
こんにちは!Holidayキャリア編集部です。今回は、ホテル業界からITの世界へと転身したIさんにインタビューしました。人との触れ合いを大切にし、高いホスピタリティを追求する姿勢は業界が変わっても健在。Iさんのキャリアの変遷と、ホテルマン時代の経験がどのように現在に活きているのかについてお話を伺いました。
プロフェッショナルな接客を求めてホテル業界へ

— まずは簡単なご経歴を教えていただけますか?
大学卒業後、新卒で箱根にある「小田急リゾーツ」系列のホテルでフロントマンとして約2年ほど働きました。その後、IT企業に転職してQAテスターとして2年弱勤務し、次に「東京ドームホテル」に行きました。そこでは約半年勤務し、今はまたIT企業に戻っています。
— Iさんが最初に、ホテル業界で働こうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
昔からアルバイトも含めて接客が好きでした。大学では3年間茶道部に所属していたこともあり、人と触れ合うことが好きだったんです。接客業の中でも、最も高いレベルの接客ができるのがホテルマンだと思い、ホテル業に進みました。
— 就職活動では他にどんな業界を検討されていましたか?
営業系も考えていました。自分では人当たりがいい方かなと思うので向いていると思ったんです。ただ、営業は、こちらから何かを勧めて売るというイメージがあって、それよりも、お客様の方から「行きたい」「楽しみ」と思って来てくださる場所で接客をする方が、自分には合っているなと感じたんです。実際、お客様が楽しみに来てくれるというホテルの特性から、接客のしやすさを感じていました。
リゾートホテルならではの多様な魅力に惹かれる
— 東京ご出身で、箱根のホテルを選んだ理由はありますか?
大学の会社説明会で小田急リゾーツが来ていて、話を聞いた中で一番イメージが良かったのがその箱根のホテルだったんです。
— 具体的にどのような点が決め手になったのでしょうか?
ホテルの種類としてリゾートホテルを探していたんですが、小田急リゾーツはペットと一緒に泊まれるホテルや、旅館チックなホテル、あとは箱根の芦ノ湖のほうにある格式あるホテルなど、リゾートホテルでありながら幅広い形式のホテルを展開していました。どのホテルに行っても一風変わったことができるかなと思ったのが決め手です。リゾートホテルならではの多様性に魅力を感じたんです。
フロントスタッフがお茶点て!?意外な業務とは
— フロントとしての具体的なお仕事内容を教えてください。
基本的にはお客様のチェックインチェックアウト、予約関係の管理、顧客の管理などです。ただ、最初に配属されたのが旅館形式のホテルだったので、お客様にお茶を点てたり、布団を敷いたりという業務もありました。また、イベントで餅つきをしたりもしましたね
。
— 日本の伝統を感じられて素敵です!イベントはたくさん開催されるんですか?
そうですね!リピーターさんや、お年を召した方も多かったので、イベント行事は基本的にフロントが前に立ってお客様に見せることが多かったです。季節のイベントごとに趣向を凝らして、お客様に楽しんでいただける工夫をしていました。
クレーム対応も、まずは寄り添う気持ちで

— ホテル業務で大変だったことはありますか?
シンプルに休みが少ないことと、クレーマーへの対応が大変でしたね。楽しい面もありますが、やはりお客様のご要望にはしっかり応えなければならないので、厳しい場面もありました。
— どのようなクレームがありましたか?
たとえば、あるお客様が他のお客様の怪我を目にしてしまい、それがきっかけで体調を崩されたことがありました。その方は、もともと予約していたエステや夕食など、すべてのプランを無断でキャンセルされ、「私は悪くない」と強い口調でおっしゃっていました…。中には、こちらでは予想できないような理由でお声をいただくこともあり、対応にはとても気を遣いました。
— そういった方に、Iさんはどのように対応されていたのですか?
まずはしっかりとお話を伺い、気持ちに寄り添うことを大切にしていました。少し落ち着かれたタイミングを見て、こちらとしてできること・難しいことを丁寧にお伝えしながら、お客様の気持ちが少しでも和らぐように心がけていました。それでも難しい場合は、「私では力になりきれないかもしれないので、上の者をご案内してもよろしいですか?」とお客様に確認し、必要に応じて上司に引き継ぐこともありました。どんな場面でも、お客様の気持ちを第一に考え、一緒に解決策を見つけていくことを意識していました。
— なるほど。まずは寄り添うことが大事なんですね。
そうですね。寄り添うって、簡単なようで実はすごく難しいことだと思います。自分の感情をコントロールしながらも、相手の立場に立って考えるというバランスは本当に大切で、私自身、ホテルでの経験を通して少しずつ身につけてきたスキルだと感じています。
自然と集まる、ホテルマン同士の交流の機会

— ホテル業界で働いていた時、同業者との交流はありましたか?
箱根のホテルは、親会社が違っても同じ場所の飲み屋に集まることが多かったですね。生活リズムも同じなので、交流や出会いがありました。観光地ならではの連帯感があって、同じ業界の人間として共感できる部分も多かったです。箱根は飲食店などの選択肢が限られていたこともあり、自然と同業者と交流する機会が生まれやすかったんです。
— コミュニティが自然と生まれていたんですね!
はい、特にリゾート地では同じような環境で働く者同士の繋がりが強いと感じます。悩みや喜びを共有できる仲間がいることは、大変な仕事を続ける上での支えにもなっていました!
ホテル経験はIT業界でも活きる場面がたくさん!
— ホテルでの経験が今の仕事に活かされていることはありますか?
コミュニケーションの取り方はエンジニアとの仕事でも役立っています。どの業界に行っても、ホテルで培った接客やホスピタリティの精神は役立つと思いますし、実際に今も活かせています!ホテル時代の、常にお客様目線で仕事をしていた経験から、テスト担当として開発者を説得する際にも、「本来のユーザーはこう使うと思います」という実例を挙げやすいですね。多くの人を見てきているので、一般のユーザーがどのように考え、行動するのかを想像しやすいんです。IT業界では開発者目線になりがちですが、ホテルでの経験から、エンドユーザーの立場に立って意見を言えているのではないかと思います。
— ユーザー目線でシチュエーションを伝えやすいということですね。
そうですね。IT製品に限らず、サービスを使う人も、ホテルに来るお客様と同じように、一人ひとり異なるニーズや背景を持っています。その多様性を理解して対応できる感覚が、ホテルマン時代に培われたと思います!
キャリアの転機とこれから
— ホテル業界からIT業界へ転身されたきっかけは何だったのでしょうか?
接客業の魅力は十分に感じましたが、もっと自分のスキルの幅を広げたいと思ったんです。IT業界は常に新しいことを学べる環境があり、自己成長の機会が多いと感じました。また、休みの面でもワークライフバランスを取りやすいという点も大きかったですね。ただ、もう一度ホテル業界にも戻りたいと思って東京ドームホテルで働いたこともありましたが、やはり私にはIT業界の方が合っていると感じています。ホテルで学んだホスピタリティやお客様視点でのサービス提供という考え方は、どんな業界でも大切なスキルだと思いますし、これからも活かしていきたいと思っています。
— 最後に、今後のキャリアについての展望を教えてください。
常にユーザーのことを考えたサービス開発に関わっていきたいです。エンジニアとユーザーの橋渡し役として、両方の視点を持った人材になることを目指しています。ホテルマン時代の経験を活かして、どんなプロジェクトでも”人”を中心に考えたアプローチができる専門家になりたいと思っています。
— 貴重なお話ありがとうございました♩
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