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「撮ること以上に、喜ばせることが好き」 写真だけでなく"体験"を届けるフォトガイド

更新日:2月27日


インバウンドのお客様を対象に、写真撮影をしながら様々なスポットを案内する「フォトガイド」として活躍する方々へのインタビュー記事。


今回お話を伺ったのは、趣味で始めたカメラがきっかけで、人々に喜びを届ける仕事へとつながった阿久津勇太郎さん。フォトガイドを始めた経緯や仕事への思い、さらにこれからフォトガイドを目指す人へのアドバイスについてお聞きしました。


阿久津 勇太郎さん
阿久津 勇太郎さん

自己紹介とカメラを始めたきっかけ


— 本日はよろしくお願いいたします!まず最初に簡単な自己紹介をお願いします。


名前は阿久津 勇太郎、年齢は27歳です。生まれはフィリピンで、その後タイで育ち、高校1年生の頃に日本に帰国しました。幼稚園がインターナショナルスクールだったので日常会話レベルですが、英語も話せます。3ヶ国語(日本語、英語、タイ語)を話せます。


現在の仕事はフリーランスとしてカメラマンと法人営業を並行して行ってます。カメラ歴はまだ2年ほどです。フォトガイドを始めたのは約4ヶ月前くらいで、関東エリアを中心に撮影をしています。


— 多岐にわたるお仕事をされているんですね。カメラを始めたきっかけはなんですか?


営業の仕事のお客様にカメラを趣味にしている方がいて、話を聞いていたら面白そうだなと思って始めたのがきっかけです。その方と同じレンズや機種を一式揃えました。


最初は自分で撮影した風景写真を送ってフィードバックをもらって、写真の技術を磨いてました。その後Instagramに撮った写真を載せていたら、知り合いから「写真撮ってほしい」と頼まれて人物撮影を始めました。それが好評で、そのうち仕事に繋がるようになりましたね。


— 写真を仕事にしようと思って始めたわけではなかったんですね。


そうなんです。最初は趣味でカメラを始めて、そこからご縁で仕事に繋がったという感じです。


— なるほど。やっぱり写真を撮るのは楽しいですか?


正直、撮ること自体がすごく好きというわけではなく…(笑)。撮った写真で喜んでくれる人の顔を見るのが好きなんです。機材にこだわりはなく、ご依頼者の笑顔を撮れる写真を撮れればそれでいいと思っています。旅行とかでもカメラはほとんど持っていかないですね。


— 写真を撮るというより、人を喜ばせることが好きなんですね。


そうですね。営業とカメラの共通点を探した時に、直接何かを提供して、そのことで喜んでくれるのが好きだと気づきました。それがやりがいになっています。新卒でエンジニアをやっていた時は、誰の役に立っているのか実感がなかったのですが、営業やカメラの仕事は人と直接的に関われるので、やりがいを感じます。



阿久津さん撮影
阿久津さん撮影



フォトガイドをはじめたきっかけ


— フォトガイドを始めたきっかけは何だったんですか?


きっかけは、御社の佐藤さんとの出会いです。たまたま知り合ったときに、僕が多言語を喋れることを伝えたら「フォトガイドっていう仕事があるよ」と教えてくれて。それまで自分の語学力を仕事に活かそうと思ったことがなかったのですが、「必要とする仕事があるんだ」と気づかされました。自分が当たり前だと思っていることが、他の人からしたら価値のあることなんだと。


— たしかに、3ヶ国語を話せるのは強みですね。


そうですね。まだタイ語のツアーをやったことがないので、いつかやってみたいです。タイの方で、東京のおすすめスポットを巡りたいというニーズがあったら、翻訳からガイド、撮影まで全部やりたいですね。


— 初めてのフォトガイドはどんなお仕事でしたか?


香港から来たお客様を、東京タワー周辺で1時間撮影しながら案内するというものでした。日本語も話せる方だったので、安心しました。最初はちゃんとした写真が撮れるかが不安で。コミュニケーションはなんとかなると思っていましたね。


— 初めてとなると不安ですよね…事前の準備ではどんなことをされたんですか?


事前にホリデーさんからいただいた撮影スポットのまとめを何度も見返しました。さらに、自分のGoogleカレンダーのメモ欄に、スポットの名前とGoogleマップのリンクを全て貼り付けて…撮影スポットの準備は徹底的にしましたね。あと、待ち合わせ場所できちんと合流できるかもわからなかったので、事前に今日の格好を自撮りして送って、向こうから声をかけてもらうようにしました。


— それは良いコツですね!ちなみにフォトガイドをする前と後で、何かギャップはありましたか?


やる前は、たくさん話さないといけないと思っていたのですが、実際はそんなに言葉は必要ないと感じました。最初はいろんな単語や知識を知る必要があると思っていたんですが、いかにお客様に楽しい時間を提供できるかが満足度に繋がってくるんじゃないかなと個人的には思っています。


— 楽しませようとする思いが大切なのですね。


そうです。クオリティの高い写真撮影も、軽快なトークもできるに越したことはないですが、それ以上に誠意を見せることが大切だと思います。皆さん「写真はプロに任せるよ」と言ってくださるので、それに応えるように、お客様の個性に合わせた写真体験を提供するように心がけています。


例えば、「Aさんは左を向いた方が映えますよ」とアドバイスすると、「言われたことなかった」と喜んでくれることが多いです。そういうちょっとした嬉しい体験をお客様に味わっていただくことが、意外と大事なんじゃないかなと思いますね。




阿久津さん撮影




フォトガイドをしていて、楽しかったことと大変だった経験


— 今までで印象に残っているフォトガイドの思い出はありますか?


Instagramを交換した方が、一緒に自撮りした写真を投稿してくれたのが嬉しかったですね。「この方がガイドしてくれた」と僕のことを紹介してくれました。また、海外の方はリアクションが良いので、撮影していて楽しいです。分かりやすいフィードバックをもらえるのはありがたいです。


— 逆に大変だったことはありますか?


着物を着て撮影する際に、着付けが35分も遅れてしまった時は、後に他のスケジュールも控えていたので焦りました。また、僕のつたない英語を小馬鹿にするような態度をされたのは少し辛かったですね。


— それは悲しい…。どのように気持ちを切り替えましたか?


まあ、そういう人もいるんだなと割り切るようにしました。実際出会ったお客様は皆さんフレンドリーで素敵な人ばかりです!



フォトガイドの業務について


— フォトガイドの仕事がある時はどんな準備をしますか?


まず、前日と当日にやることをToDoリストに書き出します。あとはお客様の名前を覚えるようにしていますね。発音が分からなかったら会った時に聞きます。「翻訳アプリだとこういう発音しているんだけど、本当はなんていうの?」とか。


写真はマニュアル以外の撮影スポットをSNSで調べてスクショして、お客様に提案できるようにします。また、撮影スポット周辺の見所も調べ、撮影後にお客様におすすめできるよう準備もしてます。


— すごい事前の準備を徹底していらっしゃる!


当日も、電車の移動中など、ギリギリまで調べています。忘れ物がないか確認し、30分前には現地に着くようにしています。電車が遅延しても対応できるように、余裕を持って行動しています。


— では、フォトガイドをしている最中に特に気をつけていることはありますか?


1番気をつけているのは、お客様とのコミュニケーションです。ただ写真を撮るだけじゃなくて、お客様が心から楽しめる時間を提供したいと思っています。撮影した写真は必ずお客様と一緒に確認して、お客様の反応を見ながら撮影を進めています。その際、僕は「ナイス」って言わないで、「良いね」って言うことが多いんです。


— 日本語で「良いね」ですか?


「良いね」って言うことで、お客様に「とても良い」っていうニュアンスを伝えつつ、同時に日本の文化に触れてもらいたいと思っています。「It means very good」と付け加えたりもしますね。


— なるほど。あえて日本語で伝えているんですね!面白い。


あとは「え、めっちゃ良いじゃん」とか、積極的に声をかけるようにしています。お客様のテンションを上げたいという思いがありますね。


特に女性のお客様には「可愛いね」とか「綺麗だね」と言ったりします。その後に「綺麗はこういう意味だよ」と日本語を教えることもあります。お客様に日本に来て、日本人の撮影を体験していることを実感して欲しいんです。


— 単に良い写真を撮るだけでなく、その過程でお客様に楽しんでもらうことを重視されているのですね。


はい、その通りです。単なる写真撮影ではなく、お客様とのコミュニケーションを通して、よりパーソナルで思い出深い体験を提供したいと思っています。


— ちなみに、今後、フォトガイドとしてやってみたいことや目標はありますか?


タイに特化したツアーや撮影をしたいです。また、フィリピンから日本に初めて来る人向けのプランも提供してみたいです。




フォトガイドを目指す人たちへアドバイス





— 阿久津さんは、どんな人がフォトガイドに向いていると思いますか?

人と話すのが好きな人、他の人に興味を持てる人が向いていると思います。外に出かけて、知らない人と会って話すのが好きな人が向いていると思います。


— コミュニケーション能力が大切なのですね。


はい。写真の技術だけでなく、コミュニケーション能力も必須だと思います。あとは臆せず、ビビらないことも大切です。受け身ではなく、自分からアクションできる人が向いていると思います。「写真はプロにお任せするよ」というお客様が大半なので、こちらから先導してあげる必要がありますね。


— ちなみにフォトガイドをしたいけれど、最初から仕事をするのはハードルが高い。そういう方に向けて、具体的なアドバイスをいただきたいです!


3つ思い浮かんだのがあるんですが、まずは街中で困っている外国人に話しかけてみる!駅で切符の買い方がわからなそうな人に「何か手伝いましょうか?」と声をかけてあげるといいと思います。


2つめは海外の人とビデオチャットができるアプリを使ってみる。


3つ目はMeetupというアプリを使って、言語交流イベントに参加する。流暢に話せる人同士が喋るというより、語学学習中の人同士が話して交流する場なので自信がない人にもオススメです。どれもあまりお金もかからないので、気軽にできるかなと思います。



— ありがとうございます!最後にこれからフォトガイドを目指す方へのメッセージをお願いします。


自分の視野や価値観をアップデートしたい人は、ぜひ飛び込んでみてください。色々な価値観を持つ人と出会うことで、世界が広がると思います。語学力を眠らせている人も、ぜひ活用してみてください。資格がなくても、話せれば大丈夫です。恥ずかしさを捨てて、飛び込んでみましょう!




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